睡眠時無呼吸症候群・いびき

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いびきとは?

睡眠中に、上気道(鼻腔、咽頭)を空気が通過する時に、おもに軟口蓋、口蓋垂などが振動して生じます。
いびきに睡眠時の呼吸障害を伴わない、単純いびき症と呼吸障害を伴う場合があります。
後者には睡眠時無呼吸症候群が含まれます。保険診療ではいびきに対する軟口蓋形成術があります。


当院のいびきに対する治療方針

保存的治療は口腔内装具(咬んで睡眠中に下顎を上顎よりも前方に突き出し舌根部のairwayを広くする装置、もう一つは経鼻的持続陽圧呼吸療法(nCPAP)があります。
nCPAPはいびきや昼間の眠気にも有効ですが、保険診療では適応基準があり、これは中等症以上の睡眠時無呼吸症項群(OSAS)しか使えません。したがって、OSAS以外のいびきや昼間の眠気で悩む方は大変多く、昼間の眠気は事故に繋がります。有名な大事故、例えばチェルノブイリの原発事故、スペースシャトルの爆破事故などが知られています。そこで有効な手術療法が必要になってきます。当センターでは2種類の手術療法を用い検討しています。

先ず、鼻から喉頭までの上咽頭のどこに問題があるのか検討します。鼻腔通気度(鼻腔抵抗)を測定して睡眠中の鼻通気の参考にします。

鼻腔抵抗が大きければ、
 1)鼻の手術(鼻中隔矯正術、粘膜下下鼻甲介骨切除術、後鼻神経切除術を複合)

鼻腔抵抗が小さく、口腔咽頭が狭い(口蓋垂が見えない:軟口蓋下垂)ときは、
 2) コブレーションを用いる口蓋垂・軟口蓋・咽頭形成術
をおこないます。

コブレーションはレーザーとは異なり軟部組織をablation(減量)と潰れ難くできるのが特徴です。
ポリソムノグラフィーで睡眠中の呼吸状態(無呼吸、低呼吸、いびき、動脈血酸素飽和度など)を測定参考にします。


当センターでは、日帰り手術で低侵襲手術のコブレーションcoblationを用いた新しい方法で行っています。 
コブレーションcoblationは、術中、術後の痛み、出血、瘢痕形成の恐れが無い優れた低温高周波治療法です。 
診療内容ページの“コブレーション”をお読みください。

当院で開発した新しい複合鼻科手術も、いびきの改善に有効です。
のどのコブレーション手術は手術の進行状況をお見せしながら1時間以内に終わります。 会話、食事も可能です。声は変わりません

当センターでは、第三者による手術の前の周囲に迷惑なほどのいびきを10として、術後の評価で5以下を有効とした場合、複合鼻科手術のいびきに対する有効率は60/70例で86%でした。

これは、この手術の睡眠中に生じる咽頭陰圧を軽減する効果によるものです。 
従来の鼻の手術は、無呼吸に対する効果はないと云われています。 
これは睡眠中の咽頭陰圧軽減効果がないためと考えられます。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠中の呼吸停止と昼間の眠気が特徴です。
しばしば激しいいびきを伴います。 

睡眠1時間あたりの無呼吸回数が5以上、または無呼吸と低呼吸回数の合計が10以上の場合を、睡眠時無呼吸症候群sleep apnea syndrome (SAS)と診断されます。

確定診断には終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリグラフィー)が必要です。 

10秒以上続く呼吸停止を無呼吸10秒以上続く鼻空気流量の50%以下への減少を低呼吸と言います。
高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病、肥満、心臓血管障害、脳血管障害などの合併も少なくありません。

睡眠時無呼吸症候群を、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群sleep apnea hypopnea syndrome (OSAHS)と呼ぶことがあります。
この方が呼び方としては正確で正しいと思います。

患者さん自身は、昼間の眠気、起床時の頭痛、易疲労感など以外には先の合併症を指摘されるのみで、睡眠中の呼吸障害を自覚できないのがこの疾患の恐ろしいところです。

鼻詰まり(鼻閉)とは?

鼻が詰まる原因は、鼻の構造に異常がある場合(鼻中隔彎曲症、鼻甲介骨の形態異常)や粘膜のアレルギーや炎症による腫脹、副鼻腔炎による鼻ポリープ、鼻の腫瘍などが主なものです。

鼻の通りが悪い(鼻腔抵抗が大きい)と、睡眠中に呼吸障害が起り易くなります。
上気道(鼻腔、咽頭)の陰圧が大きくなるからです。

鉄砲の吸い口に相当するのが鼻で、本体部分が咽頭と考えれば、理解し易いでしょう。
水鉄砲と異なって、咽頭は柔らかで潰れ(無呼吸)たり、狭窄状態(低呼吸)になり易いのです。

口呼吸は舌が落ち込んで咽頭を塞ぎ易くします。

昼間の眠気の強い方で、睡眠呼吸検査上呼吸障害が軽いか検出出来ない場合は、上気道抵抗症候群(呼吸努力関連覚醒)と呼ばれる疾患の可能性が高いです。この場合は、睡眠中に無意識の努力によって呼吸障害を防いでいますが、睡眠が障害されて強い昼間の眠気が継続します。 

鼻や咽頭の手術によって、昼間の眠気は改善されます。
鼻のCTスキャンや鼻腔抵抗を測定して客観的に評価しています。

当院の鼻の手術は単に鼻の通りを良くするだけでなく、睡眠中の呼吸障害、継続する昼間の強い眠気いびきをも改善するために開発した手術(複合鼻科手術)です。この手術は1泊2日の入院で可能です。

アレルギー性鼻炎や花粉症に効果があります。鼻閉だけでなくくしゃみ、鼻水にも効果があります。

水鉄砲の原理:吸い口が細いときは、大きな吸引力(陰圧)が必要

鼻腔抵抗が大きいときは、大きな陰圧が咽頭に加わる。
・・・>咽頭は虚脱し易い。・・・>無呼吸、低呼吸が生じ易い。

鼻腔抵抗が小さいときは咽頭に加わる陰圧は小さい。
咽頭への陰圧を減少させるには、鼻腔抵抗や吸気圧を下げる必要がある。

耳鼻臨床103:387-394,2010. より

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